議会のお仕事

もえ議員

「議員のお仕事って、普段なにやってるの?」
とたずねられます。
皆さんの目に映る活動すべてが、それにあたるのだと思いますが、
中でも、核となる「議会」での活動について、
ご紹介していきます。


無人島では不要だが、私たちは1人では生きていけない。
立場の異なる人と一緒に社会をつくるために、政治がある。
互いの現在地を共有し、歩み寄って解を見出す。
絶対解ではなくても最適解を見つける。

ヴォルテール(Voltaire)|
「私はあなたの意見には反対だ、
だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る。」

対決ではなく「対話」を紡ぐ場。
議会活動の記録です。
(政策・課題・発言の一覧など。)


尾張旭、その先へ。
信頼される、安心の政治へ。

議会での発言一覧

過去の議会での発言を掲載しています。

2018年3月23日

2018年3月定例会 本会議最終日に討論に立ちました。

本会議最終日は、
付託された全議案への賛否を
挙手で表決します。
 
その際、討論として、
賛成・反対の意見を
表明することができます。
 
議案は、市長部局(行政側)からの提案と
議員からの提案とどちらも可能です。
 
今回討論を行ったのは、
議員から提案された議案です。
 
後日発行されます
「市議会だより」へは、
200文字という制限があり、
全ての掲載が叶わないため、
以下に、
原稿を添付いたしました。
 
賛否両方のご意見があることは
承知しておりますが、
趣旨をご理解いただけますと
幸いです。
 
いつも、ありがとうございます。
<(_ _)>
 
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 
大島もえでございます。
議長より発言の許可をいただきましたので、
会派「市民まちづくりネット」の総意として、
議員提出議案第1号
「尾張旭市議会議員の定数を定める条例の一部改正」
について、反対の立場から
討論をさせていただきます。
 
本議案は、
現状の21名の議員定数を
1名減じて20名にするという提案です。
 
本提案への賛成できない理由について
2つの切り口から討論いたします。
 
1つは、
提案の手法に対する問題提起です。
 
今回の議論の経過の在り方に
賛同してしまえば、
議員の職責を否定し、
自己矛盾につながるとの自覚から、
以下の問題点を指摘します。
  
議員定数については、
平成25年度に議会の在り方検討会にて、
正式に議論し当時は、
現行通りとの結論が出ました。
 
以来、今期に入ってからは、
一度も俎上には上らず、
なぜ、いま、急に?といった印象を
持っている議員は少なくありません。
 
当時の結論との整合性は
どうなるのでしょうか。
 
更に、
提案者が議長を担われたH27年度1年間は、
議会の在り方検討会すら開かれず、
会議数が増加傾向である市議会の
近年の現状の中で、唯一、
会議数が落ち込んでいる年であることからも、
議会制度を考える上での
真摯で誠実な姿勢を
残念ながら受け取ることはできません。
 
私たちは、戦後72年、
日本国憲法のもと、
人種・信条・性別・社会的身分・門地
・教育・財産または収入により差別されない
尊い公正な選挙制度の下、
地方自治の原則にのっとり、
議会制民主主義を維持しながら
今日まで来ました。
 
先輩世代のおかげで、
広く様々な立場の人にも
議会という場での
政治参加の道を拓いてきていただいた
今、私たちもまた、
数十年後の未来に視野を拡げ、
結論を誤らないために
努力を惜しむべきではなく、
議論を尽くしていくべきです。
 
議員定数を扱うという事の重みを考えた時、
今回の議論なき提案は
看過できるものではありません。
 
私たちは、
自分の授かっている立場に
謙虚でなければなりません。
 
多数決とは、
イコール正義ではなく、
決断の手法にすぎません。
 
物事は常に表裏一体、
一つの施策に対して、
そのことによりメリットもあれば、
デメリットもあり、
本来の民主主義とは、
議論を重ね、一つの変化に対する
あらゆる作用と影響を考慮し
決断していく合議のシステムであると
理解しています。
 
その前提に立ち、
謙虚に議員の職責を全うすべく、
昨日の議会運営委員会に臨んだ
委員の皆さまの質疑の内容から
以下の事が明確になりました。
 
・提案の理由が明確になっていないこと
・今、定数を変更する必要性が明確でないこと
・2025年問題を引き合いにするならば、
 以前よりわかっていたことであり、
 議会としての議論をするタイミングがあったこと。
・20人という、根拠が明確でないこと
・定数の変更をすることで、
 議会運営に影響が出るため、
 今後の議会運営に対する議論がされていないこと
 
昨日の議会運営委員会での質疑の様子を、
もし、市民の皆さまが
実際にお聴きくださったならば、
その、あいまいであり不明瞭さを
ご理解いただけたことと思い、
報道機関による傍聴を得られなかったことが
残念でならないと共に、
それほどまでに、
注目されていない議案であるのかとの思いも
悲しく寂しくむなしくさえも思います。
 
よって、この、突然の、
そして、提案根拠があまりにも
あいまいで揺らいでいる現状をもって、
提案されること自体、
そして、
議決すること自体に賛同できません。
 
2つ目は、
議会とはどのような「機能」を
発揮するべき場所であり、
そのために、
どうあるべきかという役割についての
見解の相違です。
 
昨日の議会運営委員会を傍聴し、
議案に対する質疑の内容からは、
議員数の削減提案の目的は、
1名分の予算を節約する趣旨ではなく、
襟を正すためにという目的が本意であり、
その手段として定数削減することが
提案された理由であることが
明らかになりました。
 
「襟を正す」とは、
辞書を引用するならば、
乱れた状態を整える、
それまでの態度を
改めて引き締めるとあります。
 
議員自身が襟を正す手段として、
果たして定数削減が
正しい手段として足りるでしょうか。
 
私の考えは、今以上に学び、
今以上に議論の場を磨いていくことが
それにあたると考えます。
 
議員定数の削減は、
一見議員が何かを改めたかのように
見えるかもしれませんが、
結果としては議員ではなく
市民にとっての民主主義のツールである
議員の数が減り、
市民の利益を損なうことであり、
民主主義を正しく理解するならば、
議員定数の在り方の議論をすることが
大切であります。
 
議員自身の襟を正すという自己都合を
市民の皆さまに押し付けているようで
身勝手です。
 
昨日の議論でも、
合議のシステムにおいて、
議会機能を維持していくために、
例えば常任委員会を維持していくためにも、
適切な議員数は何人であると考えるかなど、
具体的な議会運営に照らした質問に対しても
答えの用意がありませんでした。
 
削減された後に、
どの様に、議会運営を工夫し、
市民の利益が損なわれないように
努力していくのかという
具体策についての見解は一つもなく、
どこまでいっても、
比較根拠に持ち出される理由のわからない
他市の議員数と比べて、
数字が多い、少ないの
比較論に終始しておりました。
 
この光景が、また、
むなしく寂しく悲しく思えた
根源であります。
 
議員とは、
選挙で市民の方々に一票を託していただいて
議席をいただくことができます。
 
無記名・単記で、
どなたに託されたのかはわかりませんが、
約8万3千人の市民の皆さまの
暮らしをよりよくするための
市政について議論をしていく
議会のメンバーです。
 
選挙とは、
仕組みの上で、
多数の意見が勝者となりますが、
少数の意見にも耳を傾けるのが
民主主義の原則であり、
誰一人切り捨てない。
 
障壁があれば
取り除くために力を尽くすものだ
と理解しています。
 
大選挙区制であり、
切り捨てられる民意は
小選挙区制に比べては少ないモノの、
当選した議員は、
託してくれた票数にとらわれず、
全市民の暮らしを想像して
議論に参画するべく立場であると学びました。
 
その上で、
議員の数が減るという事は、
市民の暮らしを考えて
提案する存在が減るという事であり、
それは市民にとっては
利益となるか不利益となるかは明らかです。
 
私たちへの期待によって
議会に送っていただき、
この様にやりがいがあり
素晴らしい仕事ゆえに、
次世代の方々にもおススメしていきたいと
考える私としては、
その議席を減らすという事は、
議員が自らの職責を不要な仕事であるという
メッセージを送ることになりかねず、
期待してくださった方々に失礼となります。
 
これまで、21名の皆さまと共に、
意見の相違はあれこそ、
よりよい尾張旭のために様々な角度からの
議論が展開されたと理解しています。
 
多様な立場の方々の
代弁をしてまいりました。
 
多様性が社会の豊かさを
保障する物差しであるならば、
それこそが証であります。
 
昔の人の教えに、
権力に固執し、溺れているかどうかの判断は、
そこに民が存在しているかどうかである
という話があります。
 
今回の提案により、
具体的に、どの様に
市民の暮らしに対して
豊かさにつながっていくのか、
私にはまったく見えません。
 
今回の決断により、
未来の人たちへの
負債となってはならないとの思いから、
信念をもって反対といたします。
 
昨日、
委員会では結論は出ましたものの、
悩ましい選択であるかと思います。
 
今一度、
この主旨をご理解くださることを願い、
反対討論を終わります。
 
ありがとうございました。